導入実績

CASE
2020-04-07

東京学芸大学附属小金井小学校 鈴木 秀樹 先生

小学六年生の道徳の授業におけるグループディスカッションでご利用いただきました。

フィールド

今回の道徳の授業のテーマは、「誰も傷つけずにストレス発散するには」でした。子どもたちは4人ずつの班に分かれ、このテーマに基づいた話し合いを複数回行いました。
鈴木先生は、分析結果を見た上で話し合いを繰り返すことの効果を高めるため、「話し合いを行う時間」「テーマに基づいた発表や話し合いに関する自己評価を行う時間」「分析結果を見て話し合いを振り返る時間」といったサイクルを数セット繰り返す授業の仕組みを作っています。
子どもたちは、話し合いを終える度にタブレットを用いて Hylable Discussion にログインし、自分で分析結果を確認しました。そして、「自分の話し合いの態度をどう思うか」「班全体としてこの話し合いをどう評価するか」「複数回の話し合いを経てどう思うか」など、さまざまな観点から話し合いを振り返り、より上手な話し合いの進め方ができるようになることを目指しました。

導入の目的

鈴木先生は、これまで授業で数多くの話し合い活動を行ってきました。しかしクラスの中には、話し合いに入れない、または入ろうとしない子どもたちが一定数存在してきました。先生は、そのような子どもたちに「クラスの子たちと話し合うことで自分の思考を活性化させる体験」をどうにかさせてあげたいという思いを長年抱いていました。
一方で、話し合いの場に先生が立ち会い、話し合いに入れていないことを指摘しても、子どもたちがその指摘を実感できないことも多かったといいます。すなわち、自分が話せていないことを自覚できず、自分の振る舞いをメタ認知できていない子どもたちが多かったということでした。
このような課題をICTにより解決し、子どもたちの「できる」「わかる」を増やすことで、さまざまな子どもたちが活躍できる場を作りだすことが鈴木先生の目標でした。

成果

子どもたちは、Hylable Discussion の分析結果を見ることによって、自分が話し合いの中でどのように振舞っているかを客観的に見るという新鮮な体験をしました。子どもたちからは、「分析が早い」「録音されていることが気にならないレコーダー」「グラフが分かりやすい」など Hylable Discussion に関する率直な感想が聞かれました。
子どもたちが気付いたことはさまざまでした。自分があまり話せていないことを自覚した子もいれば、総発話量の多さから自分が話し合いの中心であったことを認識した子もいました。また、分析結果と自己評価の一致から自信を深めた子、分析結果を見て自己評価を修正した子もいました。自分があまり話をできなかったことが、声の大きな子に押されていたためであったと気付いたと、話し合い後に先生へ伝えることができた子もいました。これは鈴木先生にとって、目指していた子どもたちの思考の活性化が実感できる体験となりました。

鈴木先生はこれからも、子どもたちの思考や行動の活性化をサポートするためのツールとして、Hylable Discussion を積極的に活用される予定です。例えば、問題への理解が深まるほどに、より発言することができるようになることを子どもたちに認識してもらうために、算数の授業などで活用することを計画されています。

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