導入実績

CASE
2020-07-20

玉川大学教職大学院 佐藤 修 先生

ICTを活用し、話し合い活動のより良い指導を目指す先生たちを養成。

フィールド

教職大学院にて、現職の小学校の先生たちが学ぶ授業でご利用いただきました。

今回の授業テーマは「学級経営の実践と課題」でした。良い学級を作るためにはどうすればいいか、授業参加者の先生たちは、自らの経験や事例を紹介しながら話し合いました。教職大学院は、高度専門職業人としての教員養成に特化され、現職の先生や教員を目指す大学院生が学ぶ専門職大学院です。

導入の目的

佐藤先生が Hylable Discussion(ハイラブルディスカッション)を導入した目的は、先生たち自身がICTを活用した話し合いの振り返りを体験して、それを子どもたちの話し合い活動の指導に活かしてもらうためでした。中学校での校長と技術・家庭科教員としての豊富な指導経験をもち、現場の課題を熟知されている佐藤先生は、話し合い活動の重要性は広く認識されているものの、先生たち自身が「良い話し合いとは何か」が分かっていないことも見受けられると言います。

さらに現在の学校教育では、新しい学習指導要領において子どもたちの情報活用能力が「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられ、授業でのICT活用がますます求められています。

成果

授業参加者の先生たちは、話し合い後に同じ授業内でただちに可視化された分析結果を確認することができました。グラフからは、前半は重なりが少ないため一人一人が交互に話していたことが、後半は重なりが多いため活発なやり取りが行われていたことがわかります<図1>。実際の話し合いでは、まず各自が順に事例を紹介し、その後それらの事例に関する先生たちの経験や考えを話し合うやり取りが行われていました。

<図1 発話量の時間変化>

また、総発話量が比較的少なかった先生たち(S03およびS04)からは、相づち、うなずきなどを含む「重なり量」が多く検知されていました<図2>(発話量の多いS02との比較)。このことからは、当該の先生たち(S03およびS04)は、自らが積極的に話すよりも他の先生の発言への反応を多く行っていたことが確認できました。

<図2 ディスカッション中の行動の傾向>

分析結果に対して佐藤先生からは、「これまで感覚でとらえられていたものが目に見えるグラフになるのには驚きがある。わかりやすく、説得力がある」との評価をいただきました。話し合いに参加した先生たちからは、分析結果は思考を深めるためのツールとしても活用できるとの感想が述べられました。

佐藤先生は Hylable Discussion を、発話量の少ない子どもに着目し、彼らが活躍した場面を発見するためのツールとして活用することも検討されています。なぜなら、Hylable Discussion を使えば、分析結果やそれに基づく音声のピンポイントの聞き返しによって、発話量の少ない子どもの発話した場面をとらえることができるためです。また先生は、これらのデータを蓄積する子どもたちのポートフォリオとしての Hylable Discussion の役割にも期待されています。

佐藤先生が大事にされている「子どもの表情が良い授業」を生み出すような先生たちを養成する場面で、Hylable Discussion のますますの活用が見込まれています。

佐藤先生は、Hylable Discussion を用いた授業に関する考察を日本教職大学院協会研究大会(2019年12月)で発表されました。

なお、本研究授業での Hylable Discussion の活用は、株式会社JMCの協力により実施されました。