社会人向け教育プログラムの研究開発などを手がける株式会社レアが提供するプログラム「クリエイティブリーダーシップ」のワークショップ参加者に、Web会議の見える化サービス Hylable(ハイラブル)をご利用いただきました。
「クリエイティブリーダーシップ」とは、バックグラウンドの異なる他者とともに課題を解決し、目標を達成するためのマインドセットや対話の手法を学ぶプログラムです。北欧をはじめ世界中で実践されています。
(参考:https://www.kaospilot.dk/product/creative-leadership/)
今回は、過去にこのワークショップに参加した方たちの交流・振り返りの会で利用しました。1つのWeb会議ルームあたり4名×2グループ(計8名)でディスカッションを行いました。
今回、Hylable の導入を企画したのは、デジタルビジネススクール(Hyper Island in Sweden)におけるプロジェクトの一環で株式会社レアに関わる大関海平さんでした。
自身もクリエイティブリーダーシップを学んだ大関さんは、その際に人間のオブザーバーによる自身の発言へのフィードバックを受けた経験があり、それがとても効果的だったと考えていました。しかし、フィードバックのできる人物がつねにディスカッションに参加することは現実的でないため、自身で同様の振り返りを行える方法を模索する中で、Web会議を見える化できる Hylable の導入にいたりました。
参加者からは、Hylable を今後の行動改善やチーム作りに活かせる可能性が示されました。
■発話量の時間変化:ディスカッション全体の経過が分かる。今回の場合、開始から6分あたりまではほぼ一人ずつ順に発言し、以降は全員が参加してのディスカッションとなっていたことが読み取れる。
■ターンテイク:矢印の太さで会話のやり取りが多いペアが分かる。今回の場合、オレンジと黄色のやり取りが一番多いことが読み取れる。
■総発話時間:棒グラフの長さで個人の発話量が分かる。今回の場合、オレンジが最も発言しており、他のメンバーは同程度発言していたことが読み取れる。
■ディスカッション中の行動の傾向:人に重ねて話す程度、グループの話を盛り上げる程度が分かる。今回の場合、三角形の形から、オレンジ、黄色、青と紫の3タイプに分けられる。
<当日の実際の分析結果>
◆ドゥルガ・パラジュリさん(産業技術総合研究所・研究員):
自分の分析結果が自己認識と一致しており、納得した。リーダーシップを取るためのファシリテーション能力の向上に役立つと思う。また分析結果から、話し始めるタイミングの違いなどの一人一人の特徴や、会話のやり取りが多く相性の良い組み合わせを発見することで、チーム作りに活用できると思った。
◆長南雅也さん(クラスメソッド株式会社・組織開発):
その時の自分の心情を振り返りながら分析結果を見ることで、より深くディスカッションの振り返りができる可能性を感じた。長く活用するほど、自分や他者の行動変容が分かるようになる点もよいと思う。良いディスカッションだったときや、良い「間」が取れたときの分析結果のパターンも知っていきたいと思った。
今回の導入を企画された大関さんからも、「例えば、ディスカッションの上手な人の分析結果を振り返り、その特徴を見つけ出していきたい。また、グラフ上で音声を聞き返すことによって、発話量は少ないが重要な発言をしている人を発見できることも有益だと思う。」との感想をいただきました。
大関さんは引き続き、Hylable を多様なチームやコミュニティの対話の場に取り入れ、リーダーシップの向上やコミュニティの醸成を図る予定です。