ハイラブル株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:水本武志、以下「当社」)と株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役副社長CTO:井上浄)は、オンライン会議のリアルタイム定量化システム「Hylable」の共同研究開発を実施しました。
【これまでの背景】
企業や学校など様々な組織において、話し合いや議論などの音声によるコミュニケーションは広く行われています。企業においては、将来の予測が困難になる中で、生産的な議論を通じた意思決定や新たなアイデアの創出が重要になります。教育現場においても、主体的・対話的で深い学びを実現するため、他者の意見を聞いたり自分の考えを表現したりする機会を増やすグループ学習や協同学習が広がっています。当社は、複数のグループが同時に議論する雑音環境下でも声を聞き分けられる音環境分析技術を活用して、対面で行われる議論を自動的に分析・可視化するサービスを提供し、のべ1万6千人以上の議論を分析してきました。
【オンライン会議に関する近年の状況】
一方、近年では組織の多拠点化や働き方の多様化、新型感染症への対策などを背景に、オンライン会議が増加しています。オンライン会議は対面の会議と状況が大きく異なるため、効果的な議論に関する知見を蓄積する必要があります。オンライン会議の定量化は、エビデンスに基づく企業活動や教育活動の改善に必須の技術になると考えております。しかし、これまで当社のサービスは対面の議論のみを対象としており、オンライン会議を分析できませんでした。
【共同研究開発パートナー】
そこで、ハイラブル株式会社は、創業初期より支援を受けており、資本業務提携を締結し、次世代研究者育成プロジェクト「NESTプロジェクト」にパートナーとして参加するなど協力関係にある株式会社リバネスと共に、オンライン会議のリアルタイム定量化システムの共同開発を行いました。この技術について特許も出願しております。
【「Hylable」の概要】
共同開発した「Hylable」は、オンライン会議参加者の端末(PCやスマートフォン等)ごとの音声を取得し、その発言の量やタイミングを定量化してリアルタイムで画面上に表示します。具体的には、累積の発話量やその時間変化、やり取りの量(ターンテイク)を可視化します(図1)。この情報を活用すると、会議参加者が自分の状態をモニタリングしながら行動を改善したり、議論の進行役が発言量の少ない参加者の発言を促したりすることで、より効果的なオンライン議論の実現が期待されます。
図1 「Hylable」の出力画面の例。左端には会話のターンテイクが、中央には各参加者の発話量がリアルタイムで表示される。
さらに会議の管理者は、同時進行する複数のオンライン会議の定量化された情報を一覧できるため、複数の議論の様子を比較したり、必要に応じて会議に参加したりすることができます(図2)。たとえば、教育現場で生徒が少人数のグループに分かれて話し合いを行う場面で、実際の教室で行っていたように、教師が各グループの議論の様子を俯瞰的に把握できるようになります。
図2 「Hylable」 管理画面の出力例。複数の部屋の会議の様子が一覧で確認できる。
【今後の展開】
今後はこのシステムを、企業の採用面談や1on1ミーティングへのフィードバックに活用したり、教育現場でのオンラインのグループ学習の効果を高めたりする場面に適用し、組織でのコミュニケーションの改善や、効果的な会議の仕組みの開発に展開していく予定です。
Hylable の紹介サイトはこちら。https://www.hylable.com/remote
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ハイラブル株式会社 https://www.hylable.com
E-mail:contact@hylable.com
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